最終更新日 2024年8月26日
契約書のリーガルチェックは、書類の内容が法的に問題がないか、検証を行ったりチェックすることを指します。
例えば異なる解釈ができたり誤解を招く表現がないか、法的に内容に無理がないかなどがチェックされます。
企業にとってはコンプライアンスが重要になっていますし、契約内容に法令違反があると大変ですから、リスク対策の意味でも内容の厳格なチェックが大切だといえます。
目次
自社だけでなく他社が作成した書類も対象
このリーガルチェックは契約書を作成する際に行われますが、自社だけでなく他社が作成した書類も対象です。
つまり、こちらから法令違反をしている内容の書類を提示してしまわないか、あるいは逆に取引相手から法令違反の書類が提示されていないかなどが確認されるわけです。
リーガルチェックにはもう1つ、取引内容と契約書の内容が一致しているか、一方が不利になるような契約ではないか確認したり、将来的なトラブルを防ぐ目的もあります。
取引の内容と照らし合わせて契約の内容、文言が決められますから、問題に発展するリスクを減らすことができます。
また、書類作成の際に取引の認識についてお互いが確認をするので、認識の齟齬が生じにくくなります。
言った言わないのトラブルも避けられますから、改めて法的な契約内容のチェックは重要だと分かります。
参考/契約書のリーガルチェックの重要性と9つのチェックポイント
契約を結ぶ前の段階でチェックを行う
契約を結ぶ前の段階でチェックを行うので、自社に不利な内容になっていないか確認する意味合いも大きいです。
明らかに相手に有利な内容になっている場合だけでなく、違った解釈ができる法の抜け道を確認することができます。
契約はお互いにとって対等でなくてはいけないので、アンバランスを是正する目的と言い換えることも可能です。
契約内容のバランスに問題はなくても、公序良俗に反するような内容だと、契約そのものが無効になる恐れがあります。
現在は消費者契約法や借地借家法など、内容に問題があると契約が無効になる法律がいくつも存在します。
契約に問題がないつもりが、実際には無効で後々気がつく事態となると、損失が発生したり損失を被ることになりかねないので注意です。
仮にもし現行の内容だと契約が無効になる恐れがあるとしても、契約前に見直して修正すれば、問題なく契約できるようになります。
法律に精通する専門家が担当する
契約書のリーガルチェックのポイントには、法律に精通する専門家が担当することが挙げられます。
自社の法務担当に任せる方法だけでなく、外部の弁護士に依頼してチェックしてもらう手もあります。
当然ですが、外部に委託する場合は契約内容に目を通してもらうことになるので、他人に情報を漏らさない信頼できる相手を選ぶことが重要です。
それから専門性が高い契約の内容だったり、専門用語が出てくる内容であれば、その分野に詳しい専門家に依頼するべきです。
法律は時折内容が変更されますから、最新の法令だったり、凡例についても詳しい弁護士に相談するのが望ましいといえるでしょう。
取引の内容を確認しながら書類の作成となるので、長く信頼して付き合うことができる専門家を味方につけたいところです。
発生し得るトラブルを想定して内容を考える
契約は問題なく、取引は滞りないのが理想的ですが、残念ながらトラブルのリスクを完全に0にするのは難しいです。
その為、契約書は発生し得るトラブルを想定して内容を考えたり、項目を盛り込むことが求められます。
書類の作成が初めてで内容について専門的なことがサッパリであれば、やはり契約内容の取り決めに詳しい経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。
場合によっては、取引相手と契約内容を確認する際に立ち会ってもらう必要が出てくるので、そういうサポートもしてくれる味方を作るのが理想的です。
秘密保持や業務委託に関する契約書も対象
リーガルチェックは取引の契約だけでなく、いわゆる秘密保持や業務委託に関する契約書も対象となります。
秘密保持は特定の情報を第三者に無断で開示しないこと、目的から反する情報の使用を禁止するといった内容です。
業務委託はサービス提供の取引において、何を誰にどれだけ任せるかといった内容になるケースが多いです。
他にも基本契約やライセンス契約のように、内容をリーガルチェックして書類を作成する必要があることは少なくないですから、法的な視点を常に念頭に置いて内容の確認をしたいものです。
契約書のリーガルチェックの費用
デメリットはやはり安くない費用が掛かることですが、数万円から10万円程度と考えれば決して高くはないはずです。
損害賠償が発生したり、社会的な信用が落ちる事態を避けられることを思えば、リスク対策費用とすればむしろ安いくらいです。
海外の企業と取引を行う場合は、英語で書類を作成しなければいけなかったり、海外の法律も確認する必要があるので、費用は更に高くなるものと思われます。
とはいえこれも必要なコストですから、リスクと天秤に掛けて納得の上で相談を始めたいところです。
まとめ
コストをケチったり手間を惜しんでしまうと、不利な立場に立たされて言い訳すらできなくなる恐れがありますから、責任が追及されても反論できるようにしておくべきです。